南ア 塩見岳~北岳縦走 2011.07.16-19 その4

ユキヲ…

2011年08月03日 05:58

2011.07.16-19 3泊4日で、南アルプス北部を縦走してきました。



鳥倉登山口から塩見岳までのレポはこちら。
南ア 塩見~北岳 縦走 2011.07.16-19 その1

塩見岳から熊ノ平小屋までのレポはこちら。
南ア 塩見~北岳 縦走 2011.07.16-19 その2

熊ノ平小屋から農鳥岳までのレポはこちら。
南ア 塩見~北岳 縦走 2011.07.16-19 その3

農鳥小屋近くにザックをデポして、農鳥岳をピストンする帰り道…
ついに雨が降り出した。


まさか、こんなに早く雨が降るなんて思っていなかったので、デポしたザックにザックカバーはしていなかった。
ザックがあまり濡れないうちに、ザックカバーをかけたかったので、農鳥岳から小走りで下山した。


ザックのとこまで到着すると、雨が一度止んだ。
ラッキーなことに、この小休止の間に、ザックカバー、レインウェアを装着。


しかし、間ノ岳に向かい登り始めると、また雨が降り出した。
先程まで雨は霧のようなしっとりした雨だったが、今度は大粒の雨が雨具を叩いた。
20分ほど降ると、また雨は止んだ。

それからは、大粒の雨が降ったり止んだり…
うーん。いかにも台風の影響を受けた雨っぽい。。。


今、考えると前兆はあったのだ。

まず早朝の鮮やか過ぎる朝焼け。。。

うす雲が高い場所にまんべんなくあったから、これだけ朝焼けが映えたのだろう。

そして、富士山山頂、南アルプス南部の塩見岳、荒川三山、赤石岳にかかる傘雲。。。
 
傘雲がかかると天気が崩れやすいとはよく聞くが、こんだけ傘雲出てたら説得力がある。


やはり、今日中に北岳肩ノ小屋まで出よう。
まさか一日で白根三山を登ることになるとは思ってもみなかった。


間ノ岳を登りながら、先程まで山頂を楽しんでいた農鳥岳を振り返ってみる。

山頂はすでに見えない。野呂川方面の谷間からガスが上がって来ていた。
もう少しで農鳥小屋も白い景色に包み込まれそうだ。

これはこれで、山らしい景色だ。


間ノ岳の山頂方面も白いものが立ち込めてきた。。。
仙塩尾根方面は、かろうじて視界を保っているが。。。
稜線をはさんで、北側が白い景色。南側が晴れといった状態だ。。。


結果的に…
ここからミストハイクに終始する。


農鳥岳方面から間ノ岳へ登るトレイルは、高原植物少な目。荒涼とした趣きだ。


登り始めは、それなりの斜度があり、息があがる。。。


ところが、山頂付近になると、急に傾斜がなだらかになる。
稜線から見える感じと違い、山頂は広くおおらかな様相だ。

山頂をしめす道標は、かなり手前から確認出来た。


間ノ岳、登頂完了!…


山頂北側の雪渓が、去年と同様にそこにあった。。。

そして、今年の間ノ岳山頂からの眺望も白かった。(笑)

まぁ、いい。また来ればいいのさ。そのうち晴れた日もあるだろう。

それに、ミストハイクにはミストハイクの良さがある。
写真ではうまく伝えられないけど、しっとりひんやりした独特の空気感。
潤いに包まれて歩く感じとでもいうか、それも悪くない。。。


湯を沸かし、ラーメンを作り、ドリップコーヒーを淹れる。
コッヘルに、大粒の雨が降り注ぐが、気にもとめない。

身体が暖まる。心底うまい。
身体が本当に欲しがるものを与えると、身体は喜ぶ。

時折り、ガスの切れ間に見える仙塩尾根を眺めながら、暖かいコーヒーを楽しんだ。



そして縦走最後のターゲット北岳へ向かう。

間ノ岳から始めのほうは、尾根沿いの左を巻くように、岩礫地帯を歩く。

中白峰付近では、まだちょっと冬毛の残った雷鳥さんにも会えた。


間ノ岳と北岳を結ぶ稜線は、日本最高所の稜線としても知られるが、花もきれいで種類が多い。
眺望こそ楽しめなかったものの、北岳に近づくにつれ、高山植物が増え、目を楽しませてくれた。
 
 

そして…

北岳の頂きを踏んだ。
眺望はガスで冴えなかったが、長くて立派な南アルプスの尾根を歩き通し、5つの3000m峰を登った達成感で気分は高揚していた。

山旅もあとは下山を残すのみか。。。名残惜しい。もっと山を堪能していたい。


北岳肩ノ小屋に泊まり、少し大目に呑んだ。

夜が更けるにつれ、雨、風ともに吹き荒れ、肩ノ小屋の青いトタン屋根を激しく鳴らした。
テン場泊まりの何人かは、テン泊をあきらめ小屋の隅に丸まって寝ていた。
激しい雨で何度か目が覚めた。

翌朝、朝食を早々に済ませ、身支度を整える。
二股経由は大樺沢があるので、念の為沢沿いは避け、樹林帯の白根御池小屋経由で下山することにした。
出発間際、風が小康状態になった。よかった。これで小太郎尾根までの稜線歩きがずっと楽になる。

幸いなことに風も雨も、その後落ち着いていった。おかげで下山は楽だった。
雨で少々足元が滑りやすかったが、普通に気をつければ問題のないレベルだった。

白根御池小屋で小休止。小屋でソフトクリームが売っていたのを見て下界が近いことを感じた。
もうすぐこの山旅が終わるんだなと思った。もちろん、ソフトクリームは食べた。(笑)
肩ノ小屋から広河原まで3時間半くらいで下山した。


広河原につくとゲートのところに山梨県警(山岳警備隊?)の方が何人かいた。
どこから下山して来たか、小屋には何人泊まっていたか聞いて来たので答えた。
そして、夜叉神峠と広河原間の林道で、昨晩の風雨による落石があり、バスが不通になっていることを告げられる。

マジ?帰りの足、ないの?。。。
広河原発甲府行きのバスに乗って帰るつもりだったのだ。

とりあえずバスの発着所へ行くと乗り合いタクシーが一台いた。
落石箇所を道幅ぎりぎり避けて通過してここまで来たらしい。
甲府に行きたい旨を告げた。芦安じゃない甲府だ。
後から下山して来る人で同じ甲府行き希望のハイカーのパーティがいたおかげで、少し待たされただけで乗れた。

後から知ったのだが、同日結局乗り合いタクシーの乗車キャパだけじゃ足りず、
特に奈良田方面は、取り残されたハイカーも多数いたようだ。

私は運よく、ラッシュ前には帰宅出来た。


とても素晴らしい山旅だった。素晴らしいトレイルだった。
今振り返っても、特に塩見岳の眺望を思い出すと顔がにやけてしまうくらい。(笑)


ただ、3日目の判断…
あれが正しかったかは疑問だ。。。
やはり農鳥岳はパスして間ノ岳、北岳をまっすぐ超えてそのまま下山し、3日目で切り上げた方が良かったような気もする。。。

台風の進路がもうちょっと違っていれば、もっと落石の程度がひどくて、乗り合いタクシーにさえ乗れなかったかもしれない。


まだまだ経験が足りないんでしょうね。
そんな訳で、次回は北アルプスへ修行に行ってきます。(笑)

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