赤木沢とは。。。
黒部川上流部の支流のひとつで、北ア屈指の美渓といわれている。
北アの真珠! とか…
黒部の至宝! とかとか…
その美しさを賞賛する声は絶えない。
深いゴルジュに阻まれ屈強かつ秘境的なイメージの黒部川水系にあって、優しささえ感じる別世界のような美しさを持つ渓だ。
薬師沢小屋から入渓してまず奥ノ廊下に入るのだが、沢はすぐに独特の色彩に包まれる。
水は碧く透き通り、水中の花崗岩はパステルオリーブに輝く。
沢を囲む森の緑が、水中に映されたような沢。
渡渉する度に感じる清らかな水との一体感。
神秘的な碧に輝く淵をへつる爽快感。
予定では、その日のうちに沢を詰め上げ、更に黒部五郎のテン場まで行くことになっていたのだが、、、
歩き出して1時間も経つと、それじゃなんか勿体無いと僕らは思いはじめていた。
入渓地点から奥ノ廊下と赤木沢の分岐まで約2時間。
分岐のすぐ下に天然の堰がある。
堰を超えると、赤木沢と奥ノ廊下から注がれた清水は、そこでゆらめき輝いていた。
奥黒部秘境の天然プール。
素晴らしい…
声も出ない…
足を止めて見とれてしまう…
聞きしに勝る超美渓。
この渓を味わい尽くしたい。
詰めるというより、時間をかけて散策し、絶世の美渓に心奪われてみたい。
どうせなら途中で野営して、存分に赤木沢に触れてみよう。
ということで山行予定を急遽変更!
最終日、槍ヶ岳まで抜ける予定が、槍まで届かなくなってしまうこととなったが、楽しいと思ったことを選んでみた。
そうと決まると、竿も出す余裕がうまれ、久々に毛鉤を振ってみた。
透き通るような水だから、岩名が毛鉤を追う様子がよく分かった。
私は毛鉤。もう一人は川虫。
毛鉤を流すと、岩名が水面にライズして踵を返して水中へターンしていく。
違いは、岩名が鉤を咥えている時間の長さ。
川虫は比較的長く咥えている。合わさなくても掛かることさえある。
一方、毛鉤を咥えている時間は短い。すぐ吐き出す。
なるほど。これでは咥えた瞬間を狙ってあわせないと釣れないワケだ。
合わせのサインは、岩名が水面を叩くライズ。
何度か繰り返すうちに、合わせられるようになってきた。
これも水の透明度があったからこそ体得出来たこと。
沢の女神様が微笑んでくれた気がする。
ビバーク適地を求めてもう若干遡行。
その間も次から次へと、美しい渓相が現れる。
奥ノ廊下までは、割と川原にも巾があって、快適なビバーク適地もちらほらあったが、
赤木沢に入ると、川原が狭く、あまりいいとこがなかった。
しかし…
やはり沢のキャンプは楽しい。
稜線のテン場では味わえないものが沢山ある。
赤木沢に魅了され、たっぷり戯れ、沢の奏でる音を聞きながら眠る。
どっぷり渓の中にいる。そう感じたひと時でした。
つづく!…
北ア 沢&縦走 赤木沢・黒部五郎岳・三俣・双六 その1
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