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2012年10月05日

笛吹川東沢 釜ノ沢東俣 2012.9.15-16 その1

笛吹川…
沢登りをやる人なら誰だって聞いたことがある名前だろう。

近代登山の黎明期は明治時代だが、当時から山頂への登路として沢は遡行されていたらしい。
確かに登山道が整備されていない状況であれば、道なき藪尾根より、沢筋の方が歩き易い場合も多いかと。

ただ…
その頃の沢の遡行は、あくまでも山頂への登路として利用されているようで、まだ渓谷の美を感じるための「沢登り」ではなかった。

大正時代になってあらわれたふたりの登山家によって沢の遡行自体を目的とした「沢登り」の概念は生まれる。
黒部渓谷のパイオニア冠松次郎と、奥秩父のパイオニア田部重治だ。

冠松次郎は黒部を絶賛し、田部重治は奥秩父の笛吹川に魅せられた。
それが、日本独自のスタイルと言われる「沢登り」の原点だ。

そして…
笛吹川は、沢登り黎明期より、渓の先人たちから愛されてきた沢なのだ。

百名山で有名な深田久弥も、この笛吹川の東沢を遡行して甲武信岳に立ち、こう言葉を本に残している。
「日本の山の優秀さは森林と渓谷にある。」と…。

笛吹川東沢 釜ノ沢東俣 2012.9.15-16 その1
今回は、そんなクラシックな沢に行って来ました。



中央本線で塩山駅下車。塩山から西沢渓谷バス停へ。
そこから林道を歩き、沢沿いの踏み跡をたどり、「山の神」 付近まで、1時間30分ほど歩く。
笛吹川東沢 釜ノ沢東俣 2012.9.15-16 その1

釜が見える。初秋の明るい日差しが差し込んだコバルトブルーの釜が美しい。早く入渓した~い。(笑)
笛吹川東沢 釜ノ沢東俣 2012.9.15-16 その1

人気ルートだけあって、しっかりした踏み跡が付いている。赤テープの目印、分岐では道標までしっかりと。
沢にしては、やや至れり尽くせり過ぎる感もあるが、ここは首都圏からも近いし、沢初心者が先達の文献に憬れて入渓することも多い。

入渓してすぐ川原に出る。川原の淵の花崗岩の一枚岩スラブに目を惹かれる。
ここは自然に磨かれた滑らかな一枚岩の川底の表層を薄っすらと水がまとう、いわゆるナメ(滑)が美しい渓で名高いところ。

淵に見えるスラブを見ると、早くあのナメをフェルト底でヒタヒタ言わせて歩きたい!と胸がときめくのだ。。。
笛吹川東沢 釜ノ沢東俣 2012.9.15-16 その1

ちなみに、ナメが傾斜して角度が強くなるとナメ滝という。

なんて言ってると…、出た!… 東のナメ滝。
東沢に差し込む巨大な滑り台の枝沢。
笛吹川東沢 釜ノ沢東俣 2012.9.15-16 その1

ちょっとだけ登ってみた。
斜度のきついところは滑り出したら止まらないくらい。
笛吹川東沢 釜ノ沢東俣 2012.9.15-16 その1

立て続けに、西のナメ滝。こちらも東沢に注ぐ枝沢。
笛吹川東沢 釜ノ沢東俣 2012.9.15-16 その1

天然のウォータースライダーで澄んだ淵にダイブ!… 沢に入って、少年の心を取り戻します。(笑)
笛吹川東沢 釜ノ沢東俣 2012.9.15-16 その1

その後も、ちょいちょいとナメ滝やナメが出現して楽しい。
笛吹川東沢 釜ノ沢東俣 2012.9.15-16 その1

そして澄んだ水がたまりません。
笛吹川東沢 釜ノ沢東俣 2012.9.15-16 その1

この日は水量はかなり少な目だった。
笛吹川東沢 釜ノ沢東俣 2012.9.15-16 その1

魚止めの滝。この滝も全体が滑らかな一枚岩です。
ここを越えるとこの沢の前半戦クライマックスが。
笛吹川東沢 釜ノ沢東俣 2012.9.15-16 その1

滝上部の落ち口から魚止めの滝を見下ろした画。どうですか!この一枚岩のコロシアムのような滝壺。
笛吹川東沢 釜ノ沢東俣 2012.9.15-16 その1

磨かれたナメは、稜線の岩肌とはまた一味違う表情を見せる。
笛吹川東沢 釜ノ沢東俣 2012.9.15-16 その1笛吹川東沢 釜ノ沢東俣 2012.9.15-16 その1

そして滝の向こうに…

千畳のナメ!
笛吹川東沢 釜ノ沢東俣 2012.9.15-16 その1

川幅いっぱい全てがナメ床。そんな光景がしばし続くのだ。
笛吹川東沢 釜ノ沢東俣 2012.9.15-16 その1

こんな美しいところは、歩き急いではいけない。なるべくゆっくりとまったりと行こう。
笛吹川東沢 釜ノ沢東俣 2012.9.15-16 その1

たくさんの渓谷美!ご馳走さまでした。
笛吹川東沢 釜ノ沢東俣 2012.9.15-16 その1

両門の滝の少し手前の川原でビバーク。
笛吹川東沢 釜ノ沢東俣 2012.9.15-16 その1
山行で、焚き火が楽しめるのは沢の特権。雨の日は難しいけど、晴れた日は焚き火を心行くまで楽しみたい。

翌日辛くなることも考えずに少々飲み過ぎた者が約2名。ひとりは私だ!…(笑)



つづく!…
笛吹川東沢 釜ノ沢東俣 2012.9.15-16 その2



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この記事へのコメント
いや、そこの『舐め』は浮き輪もってって滑らないと!(笑)
Posted by kabu at 2012年10月05日 20:41
kabuさん、こんばんは。

>いや、そこの『舐め』は浮き輪もってって滑らないと!(笑)

それ…、グッドアイデア!
次いただき!(笑)

怪我人出るまでか、半日くらい遊べそう。。。
Posted by ユキヲ… at 2012年10月05日 20:49
綺麗な水~~~♪♪

でも。。。稜線や岩場から見下ろすのとはまた
違った感覚の足が竦むって感じが(^-^;;

天然のウォータースライダーは楽しそう♪♪
お尻痛くないの??
Posted by もえここ at 2012年10月05日 21:31
こんばんは!ご無沙汰です。
クラッシックルートと言う事は 昔 開かれたルートですか?
沢登の人は 岩魚釣りをするときいてます。
このルートの岩魚たちも 釣られてきたのでしょうか?
ユキヲさんも釣り やりますか?

私も ウォータースライダーやりたいです!!
(釣りのあとで!)

渓泊まり 焚火 酒 大好きです!
川の音(轟音だけど)で眠りにつきたいです。
Posted by 第1コーナー第1コーナー at 2012年10月05日 21:32
こんばんは。

この前会った時に言っていた場所ですか?

ホント綺麗な水・渓谷ですね。

>斜度のきついところは滑り出したら止まらないくらい。
こういう時はデジイチじゃなくて、防水コンデジ体制ですか?
Posted by ひでけん at 2012年10月05日 21:38
ん〜ん。
ナメまくり…、うらやましぃ〜。

来年こは、ナメまくり、呑みまくり、やって見たし…。

教えてね!
Posted by Eitaku@スマホ at 2012年10月06日 08:21
もえここさん、おはようございます。

>綺麗な水〜〜〜♪♪

素敵でしょ、エメラルドグリーンの清流も。

>でも。。。稜線や岩場から見下ろすのとはまた
>違った感覚の足が竦むって感じが(^-^;;

同じような感覚のとこもあれば、違うとこもありますね。
足の裏全体でフリクションを効かせる感じが独特かな。

ナメ滝で滑り出すと、墜ちるというより、滑る感じで、
違うヒヤッと感があります。(笑)

>天然のウォータースライダーは楽しそう♪♪
>お尻痛くないの??

楽しいですよ。
尾底骨打撲した方いました。(笑)
Posted by ユキヲ… at 2012年10月06日 10:07
第1コーナーさん、こんにちは。

>クラッシックルートと言う事は 昔 開かれたルートですか?

そうみたいです。
東沢は、甲武信岳に登るルートとしては
一番古い登山ルートだったみたいですよ。

>沢登の人は 岩魚釣りをするときいてます。
>このルートの岩魚たちも釣られてきたのでしょうか?
>ユキヲさんも釣り やりますか?

基本的には遡行自体がメインなので、
釣りは時間に余裕があれば、たま〜にと言ったところ。。。

そして残念ながら、余程魚影が濃くないと、釣れる腕ではありません。(笑)

今回は入渓してすぐに魚止めの滝だったので釣りはしませんでした。

ここはもうちょっと川下で釣りしてるみたいでした。

>私も ウォータースライダーやりたいです!!
>(釣りのあとで!)

楽しいですよね。
思わず童心に帰ります。(笑)

>渓泊まり 焚火 酒 大好きです!
>川の音(轟音だけど)で眠りにつきたいです。

焚火が出来る沢中のビバークほど楽しい宿泊はないですよね。

せせらぎを聞きながら眠り、せせらぎの音色で目を覚ます…。

素敵な沢の旅ですね。
Posted by ユキヲ… at 2012年10月07日 11:18
ひでけんさん、こんにちは。

>この前会った時に言っていた場所ですか?

そうです。ココです。

>ホント綺麗な水・渓谷ですね。

笛吹川は、やがて富士川となる上流域の沢です。
メジャーですが、まだまだ綺麗な沢ですね。

>>斜度のきついところは滑り出したら止まらないくらい。
>こういう時はデジイチじゃなくて、防水コンデジ体制ですか?

沢の時は、オリンパスの防水コンデジ使ってます。

画像の表現力はデジイチには勝てませんが、
かなり無茶な場所でも故障しないタフさがいいです。
Posted by ユキヲ… at 2012年10月07日 11:28
Eitakuさん、こんばんは。

>ん〜ん。
>ナメまくり…、うらやましぃ〜。

ナメまくり…、言葉の響きがヒワイなので、
「ナメリまくり」にしてほしいのですが!(笑)

>来年こは、ナメまくり、呑みまくり、やって見たし…。

だから!…
「ナメリまくり」にしてほしいのですが!(笑)

>教えてね!

ええ。でも、この秋からでもどうですか。(笑)
Posted by ユキヲ…ユキヲ… at 2012年10月07日 19:41
遅コメスマセン!

いやいや目を奪われるというのはこう言うことですね

なんともまあ・・・・・ちょっとやられちゃいましたね、こりゃ・・・・
Posted by ガイアガイア at 2012年10月10日 07:13
ガイアさん、こんばんは。

>遅コメスマセン!

とんでもゴザイマセン。(笑)
だいたいレポ自体が最近カメレポですんで。

>いやいや目を奪われるというのはこう言うことですね
>なんともまあ・・・・・ちょっとやられちゃいましたね、こりゃ・・・・

昔からの人気ルートで、秘境的な感じはないのですが、
ここは川底全体が一枚岩みたいな区間が長いんです。

それが滝とかナメになって現れると素晴らしい渓相を見せてくれます。

沢をやるなら一度は訪れたい沢です。
先人の素晴らしい紀行記もあるので、それ読んでから行くのもいいですよ。
Posted by ユキヲ… at 2012年10月10日 21:45
いやー、綺麗な沢ですね!

ぼくは、千葉のなだらか?な川しか知らないので・・・・・

天然のスライダーいいですよね!

千葉にもあるんですが、水が綺麗ではないので・・・あんまり入りたくないです

子供は、はしゃいでますけどね(笑)
Posted by MARUMARU at 2012年10月10日 22:58
MARUMARUさん、おはようございます。

>いやー、綺麗な沢ですね!

はい。綺麗な沢でした。
こんな素晴らしい沢が日本には沢山あるから、
きっと沢登りといったスタイルが生まれたんでしょうね。

>ぼくは、千葉のなだらか?な川しか知らないので・・・・・

房総にも沢登りの遡行対象になる綺麗な沢がいくつかあるんですよ。梨沢とかは有名です。
標高が低いので、晩秋から春にかけて登られることが多いみたいです。

>天然のスライダーいいですよね!

大人気ありませんが、やっぱり楽しくて滑ってしまいます。(笑)

>千葉にもあるんですが、水が綺麗ではないので・・・あんまり入りたくないです
>子供は、はしゃいでますけどね(笑)

清和県民の森にもありましたね。

子供も親しめる場所にある天然ウォータースライダーも貴重な存在ですよ。

奥深いとこのは大人が童心に帰る場所です。(笑)
Posted by ユキヲ… at 2012年10月11日 08:28
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